it's you who knows

じぶんらしく

たくフェイス

『どうしました?拓先輩。表情が優れませんね。また、体調不良ですか?』


普通の顔だったのに。人の真顔をそんな風に言うだなんてなんてやつだ。こんなことを言う不届き者は誰か決まってる。そしてこの突然のエンカウントといえば奴だ。戸哲ちゃんである。噂をすればなんとやら。日記に書いたのは失敗だったか。(もちろんこの日記はひっそりTwitterのプロフに乗せているだけなのでアカウントを持っていない彼が知る由もないが。)


話は今日の昼に遡る。

今日の昼は友達に誘われランチに行ってきた。家でランチを食べた後にランチに誘われてしまったのだが、このまま家にいてもせっかくの日曜日がパーである。好機逸すべからず。誘いに乗ってデザートだけ食べに行くことにした。


現地集合。現地解散。ランチはあっという間に終わらせ帰ってきた。そのまま帰るのはわざわざ家を出た労がもったいないので家の近所のお店でウィンドーショッピングをした。自分のひもじさに拍車がかかる。その時に声をかけられたわけである。突然。何の前触れもなく。後ろから。


驚きながらも戸哲ちゃんこそ何をしているのかと問うたが、『仕事中ですよ。』と答えられた。嘘つけ。私服でこんなところにこんな日に。どんな仕事だよ。ミステリーショッパーか君は。


にしても尾行でもされてんのか疑うレベルである。もう慣れたけど。これで相手がブスなら警察沙汰だが、きゃわたんな歳下だというのだから許してしまう。きゃわたんは正義。宇宙を救う。まあどうやら俺と彼は比較的家が近いようである。そんなことを言っていた。


『で、どうされたんですか?何か嫌なことでもありましたか?』確かこんな感じに聞いてきた。執拗に聞いてきた。何でもないって言ってるじゃないか(笑)まったく。


『てっきり拓先輩、クリスマスを目前にして彼氏がいない現状に絶望しているのかと思いました。』


毎度戸哲ちゃんの発言に『』を使っているが、俺はそこまで記憶力が良いわけではないのでうる覚えだ。


むうっとした顔で俺は戸哲ちゃんを睨むが、彼はニッコリ。目が笑ってないよ戸哲ちゃん。俺こわい。


『まあ今は彼氏なんて考えない方がいいと思いますよ。僕は。拓先輩、今は色々大変でしょうし。果報は寝て待てって言うじゃないですか。』色々ってなんだよ。そんな君こそ恋人いるのかよ。と、めんどくさいツッコミは入れなかったが、仕事って何時までなの?と聞いたところ、『今終わりましたよ。』と返ってくる。待って。俺はもしや時間潰しというかサボりの共犯にさせられたのか。とここはツッコミを入れたが、ではまた近いうちにお会いしましょうと言ってぬぅっと去っていった。ほんとあっさりしてる子(•ω•`)。


俺は気が引けてしまいそのまま家に返って寝た。夕方起きると牛丼ディナーのお誘いが来ていたので家を飛び出し車を走らせた